完了しました
【モスクワ=工藤武人】ロシアのウクライナ侵攻では、プーチン大統領の誤算が重なったと指摘されている。ウクライナ軍の想定を超える抵抗などで、作戦シナリオに狂いが生じた可能性が高い。2000年からロシアの実権を握るプーチン氏には、露軍の戦力などに過信があったようだ。
2日間で決着?


プーチン氏がウクライナ侵攻の開始を宣言してから2日後の2月26日、国営のロシア通信は、「ロシアと新たな世界の到来」と題した論説記事を配信した。「ウクライナはロシアに戻ってきた」「反ロシアのウクライナは存在しない」などと、まるで戦勝を祝うような内容だった。記事はすぐに削除されてしまった。
これは、プーチン政権には侵攻開始から48時間で、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領率いる親米欧政権を崩壊させる計画があったことを示唆している。プーチン氏は侵攻前の演説でも、ウクライナを「失敗国家」と見下していた。軍事大国ロシアの部隊が攻め込めば、首都キエフなどの「無血開城」も可能だと踏んでいたフシがある。
露軍の不振
実際は侵攻7日目の2日も、ゼレンスキー政権が全面降伏に応じる兆しはない。軍事専門家らは、侵攻初日に制空権を掌握できなかったことが尾を引いているとの見解でほぼ一致する。
都市攻撃も
キエフ攻略のため、約8000キロ・メートル離れた極東地域から投入した東部軍管区の装備は近代化率が低く、ソ連時代の戦車もある。
米国防総省高官は1日、露軍の大多数が志願兵でなく徴兵された若い兵士で、「戦闘に参加することを知らされていなかった兵士もいる」と分析し、士気の低さを指摘した。
1
2