ウクライナ侵攻、シリア内戦でのロシア戦術と類似点…「人道回廊」提案後に町を制圧

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 【クラクフ(ポーランド南部)=上地洋実】ロシアによるウクライナへの侵攻を巡り、露軍がシリア内戦などで用いた戦術との類似点が指摘されている。民間施設を攻撃し、「人道回廊」を設けて住民を退去させ制圧する手法だ。

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住宅や病院標的

6日、キエフ近郊の町で、高齢女性を介助するウクライナ兵士(AP)
6日、キエフ近郊の町で、高齢女性を介助するウクライナ兵士(AP)

 「一晩中、爆発音が響き今も銃声が聞こえる。大学の学生寮が破壊され、買い物に並んでいた市民も攻撃された。私もいつ標的にされるか分からず怖い」

 ウクライナ東部ハリコフのインナ・クズメンコさん(50)は7日、避難先の地下シェルターで本紙の電話取材に声を震わせた。露軍の侵攻後は、ほぼシェルターに籠もりきりだという。

 露軍は当初、攻撃対象は軍事施設と主張した。だが現在では住宅や病院まで標的になっている。

 人口密集地を狙い住宅やインフラ(社会基盤)を破壊する露軍の戦術について、英国防省は6日、「ウクライナ側の士気をくじくことが目的」で、シリアで2016年に、ロシア南部チェチェンで1999年に同様の戦術が使われたとの分析を示した。

 ロシアは15年9月にシリア内戦に介入し、反体制派の牙城とされた北部アレッポでアサド政権軍とともに反体制派と激しい戦闘を繰り広げた。

 露軍は16年、アレッポを包囲し、水や食料などの供給路を断った後に「人道回廊」を提案した。その後、反体制派の戦闘員や住民を退避させ町を制圧した。

 ロシアが主張する「人道回廊」については、「町を明け渡すか、爆弾にさらされるかを住民に選ばせる手段」(国際人権団体)との批判がある。

米「戦争犯罪」

 アレッポでは制圧まで無差別攻撃が続き、440人以上の民間人が犠牲となった。露軍が国際法で禁止されたクラスター弾を使ったとの批判もある。

 ロシアで1999年に始まった第2次チェチェン戦争でも、首都グローズヌイは徹底的に破壊された。

 ウクライナに侵攻した露軍は、ハリコフや南東部の港湾都市マリウポリなどでも「人道回廊」を設け、住民を退避させる方針を示した。

 ブリンケン米国務長官は6日、米CNNに対し、「民間人を意図的に攻撃したとの信用できる証拠がある。これは戦争犯罪に該当しうる」と述べ、ロシアの攻撃を非難した。

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