ウクライナ奪還の街で「280人埋葬、全員が後頭部撃たれた」…ロシア軍による戦争犯罪の可能性

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 【ロンドン=深沢亮爾】ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は2日、自国への侵攻を続けるロシア軍から、首都キーウ(キエフ)があるキーウ州全域を奪還したと明らかにした。AFP通信などによると、解放されたキーウ近郊ブチャでは、民間人とみられる多数の遺体が確認された。露軍は首都周辺から撤退する一方、東部や南部の制圧を目標として攻撃を強めている。

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 マリャル氏は自身のSNSで、キーウ北西に位置するブチャ、イルピン、ホストメリの地名を挙げ、「侵略者から解放した」と表明した。

2日、ウクライナの首都キーウ近郊で、ロシア軍との戦闘で破壊された街の警戒にあたるウクライナ軍の兵士ら=AP
2日、ウクライナの首都キーウ近郊で、ロシア軍との戦闘で破壊された街の警戒にあたるウクライナ軍の兵士ら=AP

 人口約4万人のブチャは露軍が猛攻をかけた後、約1か月間、占拠されていた。ブチャの市長はAFPの取材に、「街中に遺体が散乱している。少なくとも約280人を集団墓地に埋葬した。女性や子どもも含まれ、全員が後頭部を撃たれていた」と述べた。

 遺体の多くは、武器を持っていないことを示す白い布を身に着けていたという。現地入りした英BBCも、路上などで約20人の遺体を確認した。後ろ手に縛られた複数の遺体の映像も報じた。

ロシア軍が撤退したキーウ近郊ブチャに薬などの支援物資が届き、トイレットペーパーを受け取る市民(2日、AP)
ロシア軍が撤退したキーウ近郊ブチャに薬などの支援物資が届き、トイレットペーパーを受け取る市民(2日、AP)

 戦闘員ではない民間人の殺害は、「人道に対する罪」に該当する。露軍の地上部隊が、制圧した地域で戦争犯罪を繰り返していた可能性が浮上した。

 露国防省は3日、公式SNSで、ブチャに関する報道について「偽情報だ」と主張し、関与を否定した。

 露軍部隊がキーウ州から撤退したことに関し、米政策研究機関「戦争研究所」は、「キーウなど主要都市を攻略する当初作戦が失敗し、修正した結果だ」と分析した。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2日のビデオメッセージで、ロシアが東部のドネツク、ルハンスク(ルガンスク)両州全域と南部の「占拠」を目指していると指摘し、「防衛のため、あらゆることをしよう」と抗戦を呼びかけた。

 英国防省は2日、露空軍が南部や東部に活動を集中させていると分析した。ロイター通信によると、露軍は3日、黒海に面した南部の海上輸送拠点オデーサ(オデッサ)近郊の燃料貯蔵施設と石油精製施設をミサイル攻撃した。東部ポルタワ州にある国内最大規模の石油精製施設も標的にした。ウクライナ軍の補給に打撃を与える狙いのようだ。

 一方、露軍が包囲する南東部マリウポリでは3日も、赤十字国際委員会(ICRC)の支援で住民の退避を目指した。露国防省は2日、ウクライナ側と赤十字側の「準備や対応の遅れ」によって退避が進まないと主張しており、難航が予想される。

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