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【ジュネーブ=森井雄一】ハンガリーのビクトル・オルバン首相は6日、ロシア産ガスの代金を、ロシアの要求通りルーブル建てで支払う用意があると表明した。欧州連合(EU)はロシアの要求に応じないよう、加盟国に求めてきた。外交や安全保障政策の決定は全会一致を原則とするEUにとって、結束の波乱要因となるとの見方もある。

ロシアは、EUなどの制裁で暴落する自国通貨ルーブルの相場を支えるため、天然ガスを購入する国にルーブルでの支払いを求めている。ロイター通信などによると、オルバン氏は、「ルーブルでの支払いは全く問題ない」と述べた。
ハンガリーはEUや北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だが、オルバン氏はロシアとの関係を重視してきた。ロシアのウクライナ侵攻後も、対露制裁をガスや石油に拡大する動きに反対姿勢を示し、欧米がウクライナに供与する武器の自国内通過も拒んでいる。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との関係悪化も懸念されている。武器供与の障害になっていることを名指しで批判されたオルバン氏は、ゼレンスキー氏について、「誰にでも指図する悪い癖がある。助けを求め、応じなければ叱りつけるのは異常だ」と反発した。
3日の議会選挙で圧勝し、4期連続で政権を担うオルバン氏は、安定した権力基盤を背景に、今後も独自路線を進める可能性がある。