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【動画】アゾフスタリ製鉄所からウクライナ兵を移送
【キーウ(キエフ)=上地洋実】ロシア国防省は20日夜、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を完全に掌握したと発表した。同省は製鉄所に籠城していたウクライナの武装組織「アゾフ大隊」の司令官も「投降」したとしており、ロシアはマリウポリ全域を事実上制圧した。

露国防省によると、セルゲイ・ショイグ国防相が20日、プーチン大統領に「製鉄所とマリウポリをウクライナの兵士から完全に『解放』した」と報告した。露側の発表に先立ち、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、製鉄所からの兵士の退避が数時間以内に完了すると明らかにしたが、退避の完了は公表されていない。

露国防省はこれまでに、ウクライナ軍やアゾフ大隊の兵士2439人を東部の親露派武装集団の支配地域に移送したと発表している。ウクライナ政府は露軍兵士との捕虜交換で帰還の実現を目指すが、交渉は難航している。
一方、ロシアが2014年に併合したクリミア半島と東部の親露派支配地域を結ぶ要衝マリウポリの攻略を終え、露軍は製鉄所に投入していた部隊も東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)に転戦させ、制圧に向けた攻撃をさらに強化するとみられる。
ルハンスク州の知事は21日、露軍が猛攻をかける要衝セベロドネツクで6人が死亡したと明らかにした。このうち2人は避難していた学校への攻撃で亡くなったという。