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【キーウ(キエフ)=笹子美奈子】ロシア軍がウクライナに侵攻してから24日で3か月となる。首都キーウ(キエフ)には避難した人々が徐々に戻っているが、停戦の見通しは立たず、生活や今後への不安が人々の心を覆う。


キーウのショッピングモールに人影はほとんどなく、ショーウィンドーは板で覆われていた。営業しているのは地下のスーパーだけだ。食用油や砂糖は品薄で、牛乳は33フリブニャ(約141円)と侵攻前の2月より2割あまり値上がりしていた。買い物かごを商品でいっぱいにした客はいない。
会計士アンドリー・ウレフさん(31)が買い求めたのは5リットルの飲料水と一袋分の食料、スリッパだ。何が足りないか尋ねると、ウレフさんは「仕事」と答えた。
欧米ブランドが多く入るこのショッピングモールでは、露軍が侵攻する直前の2月中旬、カフェでシャンパンを片手に肩を寄せ合う男女や、おもちゃを欲しがる子供となだめる母親など、日常の光景が広がっていた。
キーウの西約15キロ・メートルの幹線道路沿いには、大破した露軍の戦闘車両などが放置されたままだ。住民らは忌まわしい侵攻の跡をスマートフォンで記録していた。