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【キーウ(キエフ)=笹子美奈子】ロシアのプーチン大統領は25日、ウクライナ南部のヘルソン州、ザポリージャ州の住民を対象に、ロシア国籍を取得する手続きを簡素化する大統領令に署名した。一方的に「ロシア化」を進めて実効支配を固定化する狙いで、ウクライナ側は反発している。

ロシアに5年以上居住する、といった通常の取得要件を撤廃し、身元審査も緩和する。大統領令では「人道目的」だと主張した。ザポリージャ州の親露派「政権」の幹部は25日、ロシア通信に対し、国籍を取得したことを示す身分証明書の発行が数日以内に始まると語った。

ウクライナ外務省は25日、声明を出し、「露国籍の取得を強制する道を開くもので、ウクライナの主権と領土保全、国際人道法の重大な違反だ」と非難した。
一方、ロシア通信などによると、ロシアの上下両院は25日、志願兵の年齢上限を撤廃する法案を可決した。プーチン大統領が署名し発効する。
現在は、志願兵として契約可能な年齢を、露国民は18~40歳、外国人は18~30歳と定めている。国防省高官は25日、法改正によって年齢の上限をいずれも50歳まで引き上げると説明した。ウクライナ侵攻に伴う戦死傷者が増え続ける中、兵員不足をカバーする狙いがありそうだ。
東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク州)では、露軍とウクライナ軍の激しい攻防が続いている。ルハンスク州の知事は25日、SNSで、州の95%が露軍に制圧されたと明らかにした。