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ウクライナ大統領府は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が5日、ロシア軍との激しい戦闘が続く東部ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)の前線拠点を視察したと発表した。ゼレンスキー氏は、ウクライナ軍に「毎日、最大100人の戦死者」が出ていると認めており、反転攻勢に向け士気を鼓舞する狙いがあるとみられる。

ゼレンスキー氏は、ルハンスク州の要衝セベロドネツクに隣接するリシチャンスクと、軍の補給拠点になっているバフムトの司令部などを訪れ、兵士を激励した。ドンバス地方の訪問前には、露軍が約60%を制圧している南部ザポリージャ州も訪れ、南東部マリウポリから退避した住民とも交流した。

5月末に東部ハルキウを訪れたのに続き、2週連続で前線を視察したゼレンスキー氏は6日未明、ビデオ演説で視察内容を報告し、「すべての人々を誇りに思う」と述べた。
セベロドネツクでは一進一退の攻防が展開されている。ルハンスク州知事は5日夜に配信したSNSで、ウクライナ軍が「市内の約半分を奪還した」と反攻に手応えを示していたが、翌6日には一転して、「状況は悪化している」と認めた。
ウクライナ鉄道当局は5日夕、露軍が巡航ミサイルで攻撃したキーウ(キエフ)市内の鉄道関連施設を報道陣に公開した。鉄道当局のセルジ・レシチェンコ氏(41)は、「ここに武器はない。ロシアはウソをついている」と述べ、修理工場にあった戦車などを攻撃したと主張する露国防省の発表を否定した。
ウクライナ国営の原子力企業エネルゴアトムによると、ザポリージャ州内にあるザポリージャ原発の上空を5日未明、露軍の巡航ミサイルが超低空で飛行した。キーウの鉄道関連施設を攻撃したのと同じミサイルだったとの見方がある。