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【ロサンゼルス=渡辺晋】米連邦最高裁は24日、妊娠24週目頃までの人工中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード判決」を半世紀ぶりに覆す判断を示した。米国で中絶への賛否は割れており、今回の最高裁の判断で、米国内の分断が深まるのは必至だ。11月の中間選挙にも影響する可能性が高い。

米国で中絶は女性の憲法上の権利として認められてきた。連邦最高裁が73年、胎児が子宮外で生存できるようになる妊娠22~24週目頃までの中絶を容認する判決を言い渡したためだ。
最高裁は今回、妊娠15週目頃以降の中絶を禁じたミシシッピ州法の合憲性を審理していた。現在、9人の最高裁判事のうち、トランプ前政権時代に任命された3人を含む6人を中絶規制に肯定的とされる保守派が占める。5月初めには、保守派判事がまとめた、73年の判決を否定する内容の多数意見の草稿が漏えいし、最高裁が半世紀前の判断を見直すとの見方が強まっていた。
米調査研究機関ガットマッハー研究所によると、全米50州のうち、26州で中絶が禁止されるか、禁止される可能性が高いという。
中絶問題は米国で政治問題化している。賛成派は民主党を、反対派は共和党を支持する傾向があるためで、11月の中間選挙でも主要な争点となるとみられる。
過半数の州、中絶規制へ
【ワシントン=田島大志】米最高裁が、女性の人工妊娠中絶の権利を認めた半世紀前の最高裁判決を覆したことで共和党が地盤とする州を中心に、中絶規制の動きが強まるのは必至だ。米社会の分断がさらに深まり、11月の中間選挙にも大きな影響を与えそうだ。
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