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【ミュンヘン=池田晋一】ロシア政府が外貨建て国債の返済で、事実上の「債務不履行(デフォルト)」に陥る公算が大きくなった。国債の利払いの猶予期限を26日に迎えたが、投資家に資金が届いていないとみられる。米欧の経済制裁の影響で、ロシアは金融市場での資金調達が一段と困難になっている。
対象の国債はドルとユーロ建てで、利払い額は計約1億ドル(約135億円)。利払い期限は5月27日で、30日間の猶予期間は今月26日に終了した。ロイター通信などは26日、国債の保有者に利払い金が届いていないとみられると報じた。
ロシア政府は原油などのエネルギー輸出による外貨収入があり、返済の意思を示している。しかし、米国は投資家に対しロシア国債の元利金受け取りを禁止しており、一時的に認める特例は5月25日に失効した。このため、ロシアが送った利払い金は金融機関で滞留している可能性がある。
金融機関でつくる「クレジット・デリバティブ決定委員会」は今月、別のロシア国債で遅延した利払いの利息について「支払いの不履行」を認めたが、今回の国債をどう判断するかは不明だ。