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【キーウ=安田信介】ロシアのタス通信などによると、ロシア軍が全域制圧を宣言しているウクライナ南部ヘルソン州で5日、親露派の一方的な発表で設置された「州政府」が、業務を開始した。ウクライナ側が反撃を強める中、直接支配が進んでいることを強調し、統治の安定をアピールする狙いがあるとみられる。

タス通信などによると、「州政府」トップにはロシアの飛び地カリーニングラード州の幹部が就任した。ロシア文化の定着を担う教育や農業の担当者にもロシア人を配置した。ヘルソン州では露軍主導で地元住民が「軍民政権」を作っているが、人材難が指摘されていた。
ウクライナ国防省情報総局のトップは4日の地元メディアのインタビューで、ロシアがヘルソン州やザポリージャ州など制圧地域の併合や、ウクライナからの一方的な独立を画策していると主張。ロシアで統一地方選が予定される9月11日に、これらの地域で住民投票を実施することを目指していると指摘した。
一方、ウクライナ側はヘルソン州やザポリージャ州での反撃を活発化させている。
ウクライナ軍の特殊部隊は市民に抵抗運動を呼びかけており、南部ザポリージャ州メリトポリでは今月に入り、ロシア軍の物資を積んだ鉄道貨車や鉄橋への市民によるとみられる攻撃が確認されたという。ウクライナ軍は南部への反撃強化で、東部に戦力を集中させる露軍を揺さぶる狙いがあるとみられる。