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【キーウ=工藤彩香】ウクライナ国営通信は4日、地元当局者の話として、ウクライナ南部ニコポリの住宅地に計60発の砲撃があり、約50軒の家屋が損壊したと報じた。ドニプロ川を挟んだ対岸には、ロシア軍が占拠するザポリージャ原子力発電所があり、露軍が原発に配備した多連装ロケットシステムで攻撃した可能性がある。


米政策研究機関「戦争研究所」は、露軍が「原子力災害への恐怖をあおるため」にザポリージャ原発の軍事拠点化を進めており、米欧に軍事支援をためらわせる狙いがあると分析している。ブリンケン米国務長官は、ロシアが原発を「核の盾」として利用し、攻撃を繰り返していると批判した。
一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4日、ウクライナ軍の戦術が「国際人道法に違反している」と非難する報告を発表した。病院や学校がある住宅地に軍事拠点を築いて攻撃する手法は、露軍側の反撃を招いて民間人を危険にさらすと指摘し、「防衛的立場にあるからといって、法の尊重を免れることはない」と強調した。
これに対し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日のビデオ演説で、「テロ国家を恩赦し、侵略者から被害者に責任を転嫁するものだ」と猛反発した。