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    ハーバード大ジャーナリズム研究所ニーマン・ラボの報告を読売新聞が邦訳しています。

    ハーバード大「ニーマン・ラボ」とは

    ジョシュア・ベントン(ニーマン・ラボ代表)
    • ニーマン・ラボ代表のジョシュア・ベントン氏
      ニーマン・ラボ代表のジョシュア・ベントン氏

     「ニーマン・ラボ」は、ジャーナリズム研究を手がけるハーバード大学ニーマン財団の一部です。財団は、ジャーナリズムの質を高め、その未来に貢献する人材を支えることを目的として、1938年に生まれました。財団では世界中から毎年30人のジャーナリストをフェロー(特別研究員)として受け入れ、報道の未来を模索する動きを後押ししています。

     2008年に誕生した「ニーマン・ラボ」で私たちが試みているのは、インターネット時代におけるジャーナリズムの未来像を探ることです。

     ネット時代の到来で、膨大な量のニュース、情報が飛び交うようになりました。その一方で、この新たな潮流は、長年にわたって質の高いジャーナリズムを提供し続けてきた旧来の報道機関の存在を脅かしています。米国ではいま、新たに迎えた報道のネット化で多くの質の高い記者たちが職を追われるなど、急激な環境の変化に適合することを余儀なくされています。

     私たちが目指しているのは、こうした急激な変化の中で、メディアが成功するための条件、あるいは失敗する要因は何かを明らかにすることです。成功を収めるいいアイデアがあれば、他の報道機関にも取り入れてもらいたいと考えています。

     ネット社会において、記者や編集者、デスクたちがネット社会に適合できるよう支援し、旧来の報道機関が今後も生き延びられる方策を共に考えていきたいと思います。それと同時に、旧来の報道機関に取って代わるかもしれない新興メディアを育むことも忘れてはなりません。

     ジャーナリズムの未来は明るい――。激動の中にあるとはいえ、私たちは基本的には、そう信じています。

     それでも、私たちはすべての課題に対する解決策を提示できるなどと言うつもりはありません。答えが用意できるのは100問中5問程度かもしれませんが、私たちの強みは、多くの優秀な人材が協力してくれているということです。

     私たちの報告を読んでいる皆さんも、もちろん、その優秀な人材の一員です。皆さんから寄せられる意見によって、私たちのラボを通じて様々な議論が展開することを期待しています。皆さんのまわりでどのようなことが起きているのか、いま何をすべきか、皆さんの意見を私たちのもとに寄せてください。

     当ラボを舞台に繰り広げられる多様な議論に皆さんも参加していただければ幸いです。

    プロフィル
    ジョシュア・ベントン( Joshua Benton
     ニーマン・ラボ代表。米南部ルイジアナ州出身。南部テキサス州の日刊紙「ダラス・モーニング・ニューズ」などで10年間、記者を務めた後、ハーバード大でジャーナリズムを研究。2008年に「ニーマン・ラボ」を設立した。

    2017年10月20日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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