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70%以上が「誇りを持つ」


米国人ジャーナリストのほぼ4分の3(72%)がニュース報道業界の置かれた状況は良くないとみていることが、世論調査機関ピュー研究所の最新調査で明らかになった。調査結果は6月14日に発表された。業界の現状を一言で表すよう求めた質問では、42%が「苦戦中」「
ピューの調査は、米国内のジャーナリスト1万2000人弱を対象に今年2月と3月に行われた。回答者の77%は白人で、8%がヒスパニック、黒人は5%でアジア系が3%だった。「その他」とした人や無回答は6%だった。男女別では、51%が男性、46%が女性で、1%は「その他性的アイデンティティー」と答えた。
回答したジャーナリストたちは、業界の現状について一層悲観的な一方、自分たちの仕事についてはより肯定的な見方を示していた。70%以上が、自分の仕事には誇りを持ち、やり直す機会があってもまたジャーナリズムの仕事を選ぶ、と答えていたのだ。
「ニュースの正確さ」では意見が分かれる

回答者たちはニュース報道業界についても「産業の変化に適合している」として肯定的な評価だった。「ニュースを正確に伝えているか」という質問では、やや意見の不一致がみられた。回答者の14%が、「正確に伝える」ことに関して業界は今日、「最高の仕事ぶりだ」と述べた一方、23%は「最低の仕事ぶりだ」と述べていた。
ジャーナリストたちは、編集部門の規模拡張は、おおむね遅々としていると答えていた。46%が、編集部門の規模は「ほとんど変わらない」と述べていた。22%は所属する報道機関で記者が削減されているが、拡大しているという回答も30%に上った。一方給与については、41%が上がったと回答、50%は変わらないと答えた。減ったと答えた人も7%いた。
一般の認識とは「ずれ」も

ピュー研究所は、同じ時期に米国の一般成人を対象に2件、別の調査を行い、ジャーナリストたちと一般の人々がジャーナリズム業界をどう見ているかの比較を試みた。その結果、記者たちが自分たちを見る目と、一般の人々の見方に大きな違いがあることがわかった。
ジャーナリストと一般の人たちは、ジャーナリズムの五つの機能について質問された。「その日最も重要なニュースの報道」「ニュースを正確に伝える」「政治家や官僚の監視」「声なき声の代弁」「誤情報の管理や修正」である。
「これら五つのすべてで、ジャーナリストたちは一般の回答者よりずっと肯定的な評価を下していた」とピュー研究所の報告書作成者たちは指摘する。「米国民全体で、五つの機能のうち四つで、報道機関は良い仕事をしていないという回答が、良い仕事ぶりという答えを上回っていた」というのだ。
例えば、ジャーナリストの71%がニュースや情報の
報道現場の多様性は

調査では、ジャーナリストたちが報道業界と個々の職場でのダイバーシティー(多様性)をどう見ているかについても尋ねた。67%は、自分たちの職場で「十分な」ジェンダーのダイバーシティーがみられると答えたが、人種や民族のダイバーシティーでは、十分だという回答は32%にとどまっていた。
自分たちの属する報道機関の進歩についての見方は、人種やジェンダーごとに異なっていた。おおむね、白人のジャーナリストと男性は、自分たちの機関が性や年齢、人種の別なく誰でも平等に扱っている、と答えた。
また、白人ジャーナリストと男性で65歳以上の人は、ダイバーシティーやエクイティー(公平性)、インクルージョン(包摂)などに関する研修やディスカッションに参加した人の割合が、黒人やヒスパニック、アジア系や65歳未満のジャーナリストに比べると低い傾向がみられた。
(6月14日配信、原文は こちら )
