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米大統領にトランプ氏…日本に何を注文? 若き日から主張はっきり

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 下馬評を覆して大統領の座を確実にしたトランプ氏とはどんな人物なのか。

 一橋大非常勤講師の植山周一郎さん(71)はテレビ番組の司会者をしていた1988年6月、米ニューヨークの中心街にそびえるトランプタワーで約1時間、トランプ氏にインタビューをした。

 トランプ氏は当時、すでに世界的なVIPの一人で、「若き不動産王」として名をはせていた。植山さんは「仕事ができる明るい雰囲気を漂わせ、見た目もかっこ良かった」と振り返る。

 インタビューでトランプ氏は日米関係に触れ、「日本は米軍に守ってもらいながら、自動車を米国に輸出してもうけている。日本人は頭がいい」と持ち上げながらも、自分の主張をきちんと伝えるスマートさがあった。今回の選挙戦で見せた横柄さは全くなかったという。

 当時から政治に関心があり、「バカな政治家たちがこのまま政治を続け、多くの人が私に大統領になってほしいと望むなら選挙に出てもいい」とも話していた。

 今回の大統領選の結果について、植山さんは「苦しい立場をわかってくれ、言いたいことを言ってくれる代弁者として共感を呼んだのではないか」と分析した。

 トランプ氏は93年8月に、自らが所有するカジノやホテルをPRするために来日している。

 東京都内の日本外国特派員協会で開かれた記者会見では日米貿易摩擦に触れ、「日本の政治家たちは、米国の間抜けな政治家たちを相手に、のらりくらり交渉している。尊敬に値する」と皮肉を交えて語り、米国の政治家について「『30日以内に自由貿易を実現させなければ、米国から自動車やテレビなどの日本製品はなくなる』と言えばいいのに、それを言わない。お人よしだからだ」と批判した。

 その上で「いつの日か米国に大きなガタが来る」と述べるなど、現在の過激発言をほうふつとさせるトランプ節を披露していた。

ビジネスの実行力 評価…対立あおる危険な選択

 今回の選挙では、日本在住の米国人も投票先に頭を悩ませた。

 米カリフォルニア州弁護士でタレントのケント・ギルバートさん(64)は、トランプ氏に票を投じたという。「ヒラリー氏のような従来型の政治家が大統領になっても、国民の利益にはならないと考えた」と理由を明かした。

 トランプ氏は「メキシコ国境に壁を築く」などと過激な発言を繰り返したが、ギルバートさんは「米国民は額面通りに受け止めていない。ビジネスを成功させた実行力で、山積する問題に取り組む決意が評価されたのだろう」と分析。在日米軍の撤収に言及したことについては、「防衛や外交で米国に依存してきた日本が、自立する契機になるかもしれない」と前向きに捉えた。

 一方、クリントン氏に投票したのは、日本文学を研究する東京大教授のロバート・キャンベルさん(59)。トランプ氏の勝利に「今までの言動から考えると、いたずらに国内の対立をあおる危険な選択」と危機感を募らせた。

 8月に訪米した際、多くの家にトランプ支持を表明する看板が掲げられているのを見かけたという。米国内には不法移民などに寛容な政策を掲げるクリントン氏に反感を持つ住民が多く、「“負け組”になった白人の低所得者層もトランプ氏支持に回った」とみている。

 米バージニア州出身で、埼玉県の高校などで英語を教えるローガン・ジェフリーさん(30)は「2人とも信頼できない」と棄権した。

 ジェフリーさんは「トランプ氏は危うい人物だが、それでもアメリカ国民は変化を選択した」と驚き、「生徒には米国は、多様な考えや価値観があることを教えたい」と話していた。

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1517478 0 アメリカ大統領選挙2020 2016/11/10 05:00:00 2016/11/10 05:00:00

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