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アベノミクスに逆風か…円高や保護主義台頭

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 米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利したことで、日本政府は今後、難しい経済運営を迫られそうだ。円高が加速し、「保護主義」が広がる可能性があるためだ。安倍首相の経済政策「アベノミクス」への「大きな逆風になる」との見方が強まっている。

 トランプ氏は選挙戦で、「日本は通貨の価値を下げている。(日本企業の)コマツ製を買わせ、(米国企業の)キャタピラー製を買えないようにしている」と主張してきた。日本が円安を武器に対米輸出を拡大させているとの批判だ。トランプ政権が誕生すれば、為替政策でドル安への誘導を強化する可能性があり、日本にとっては円高につながる。

 上場企業の2016年9月中間決算は4年ぶりの減益となる見通しで、現状でも自動車や電機など輸出型企業の多くが円高に苦しむ。円高是正が困難になれば、一段と企業業績が悪化して従業員への賃上げが滞り、アベノミクスが目指してきた「経済の好循環」の実現は遠のく。

 保護主義の台頭も悪影響を及ぼす。

 トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)を批判し、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しも主張する。

 日本に対しては、日本が米国産牛肉に38%台の関税を設定していることを批判し、「日本車に38%の関税をかける」と訴えている。中国にも、中国製品に高い関税をかける考えを示してきた。こうした措置を講じれば、世界的に貿易が縮小し、日本経済も打撃を避けられない。

 大和総研は9日、トランプ氏の勝利により、08年のリーマン・ショック級の株安・円高と世界経済の縮小が起きた場合、日本の実質国内総生産(GDP)は1・12%程度押し下げられるとの試算を発表した。輸出の減少が大きく響くという。

 期待できそうな政策が米国内のインフラ(社会基盤)整備の推進だ。インフラの拡大に向け、「米国が公共投資を膨らませれば、米国景気を刺激し、その恩恵は日本を含む世界に波及する」(アナリスト)との見方もある。インフラ輸出の拡大につながれば、一部の日本企業は潤う可能性がある。

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1514928 0 アメリカ大統領選挙2020 2016/11/10 05:00:00 2016/11/10 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200930-OYT1I50079-T.jpg?type=thumbnail

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