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米大統領にトランプ氏…既存政治批判し逆転 公職・軍経験なし

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クリントン氏破る…各国 混乱を懸念

 【ワシントン=黒見周平】米大統領選は8日、全米各地で投開票が行われ、実業家で公職経験ゼロの異色の共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)が、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(69)を破り、当選が確実になった。来年1月20日に第45代大統領に就任する。選挙で選ばれる公職か軍幹部のいずれの経験もない「アウトサイダー」が大統領選に勝利するのは米国史上初めて。トランプ氏は「米国第一」の立場から外交、内政を抜本的に見直すとしているが、公約には現実を度外視したものも多く、外交、経済が世界的に混乱しかねないとの懸念が広まっている。

 トランプ氏は9日未明、米メディアが当選を報じると、ニューヨーク・マンハッタンのホテルで勝利演説を行い、「これからは米国の分裂の傷を縫い合わせる時だ。私はすべての米国民のための大統領になる」と国民に呼びかけた。

 CNNテレビの9日午前10時半(日本時間10日午前0時半)時点の集計では、トランプ氏が全米の選挙人538人のうち、過半数の270人を上回る289人を獲得した。かつて製造業で栄えた「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」に位置するペンシルベニア、オハイオ両州や大票田の南部フロリダ州などで接戦を制した。クリントン氏は218人にとどまっている。

 共和党政権は8年ぶり。同時に行われた議会選でも、共和党が上下両院で過半数を確保した。大統領の任期は4年。就任時の年齢は70歳7か月で69歳11か月だったレーガン元大統領を抜く戦後最高齢での就任となる。副大統領にはマイク・ペンス・インディアナ州知事(57)が就任する。

 選挙戦では「エスタブリッシュメント(既存の支配層)」の政治を徹底批判。米国の現状に不満を抱く白人中間層や無党派層から熱狂的な支持を集めた。歯に(きぬ)着せぬ物言いで「トランプ旋風」を巻き起こした。

 「雇用を海外から取り戻す」と訴え、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や環太平洋経済連携協定(TPP)の即時撤退を明言した。米軍が駐留する日本や韓国などの同盟国に、防衛を肩代わりする代価として駐留経費負担の大幅引き上げを強く要求する立場を示し、世界に波紋を広げた。

 不法移民の流入を阻止するためにメキシコとの国境に「壁」を建設するとしたほか、国内テロ対策として、イスラム教徒を念頭にテロ関連国からの難民受け入れの審査を強化するとした。

 女性へのわいせつ発言・疑惑や所得税免除などのスキャンダル、人種差別的な問題発言が頻発。双方が激しい中傷合戦を展開する中で、一時は支持率でクリントン氏に5ポイント以上のリードを許したが、同氏の「メール問題」に対する連邦捜査局(FBI)の追加捜査を機に、最終盤で一気に逆転した。

 クリントン氏は9日未明、トランプ氏に電話をかけ、敗北を認めるとともに、祝意を伝えた。

 ドナルド・トランプ氏 1946年6月14日、米ニューヨーク州生まれ。父はドイツ系、母はスコットランド系。ペンシルベニア大ウォートン校を卒業し、父親の不動産会社で働き始め、全米でホテルやカジノなどを経営する実業家に。テレビ番組の司会者としても知られ、決めぜりふ「おまえはクビだ」は流行語となった。

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1517483 0 アメリカ大統領選挙2020 2016/11/10 05:00:00 2016/11/10 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201001-OYT1I50043-T.jpg?type=thumbnail

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