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米成長戦略 見えぬ具体策…「大規模減税」「規制緩和」どう実現?

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 【ワシントン=山本貴徳】米大統領選で勝利を決めた共和党候補のドナルド・トランプ氏は米国経済の成長を再び加速させることを訴える。ただ、経済政策のうち、大規模な減税は景気を下支えするが、財政赤字の拡大につながるおそれがある。自由貿易協定からの離脱などは他国の反発を受ける可能性が高い。政治経験のないトランプ氏がどのように公約の実現に取り組むのかは不透明な部分が多い。

 「成長を現在の2倍にして、最強の経済にする」。トランプ氏は9日未明にニューヨークでの演説で改めて高成長を目指す考えを訴えた。

 トランプ氏が掲げる経済政策の柱は、大規模な減税と規制緩和だ。所得税の最高税率は現在の39・6%から33%に、法人税率も35%から15%まで下げる。国内総生産(GDP)の7割を占める消費を喚起し、海外に拠点を移した企業を米国に呼び戻すのが狙いだ。

 投資や雇用の妨げになる規制を縮小・廃止する考えだ。雇用対策としては、財政支出を拡大し、老朽化した道路や橋の補修も広範囲で実施する。米国の成長率を現在の2%程度から「3・5%まで引き上げる」としている。

 減税などで意見が一致する共和党が連邦議会の上下両院の過半数を維持したことは、トランプ氏にとって「追い風」となりそうだ。ただ、トランプ氏の唱える減税規模は10年で10兆ドル(約1030兆円)規模と試算され、減税分を埋め合わせる財源は示せていない。

 トランプ氏が意識した大胆な減税で景気を回復させたレーガン元大統領(共和党)の「レーガノミクス」も、貿易赤字と財政赤字の「双子の赤字」に苦しんだ。

 通商政策では、環太平洋経済連携協定(TPP)からは撤退し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にも取り組む方針だ。

 中国に対し、自国通貨を安く誘導して製品を割安にし、対米輸出の拡大で米国から雇用を不当に奪っていると主張。制裁の対象となる「為替操作国」に認定することも示唆してきた。

 トランプ氏の強硬姿勢は、国益を最優先する「米国第一」に沿ったものだ。実際に踏み切れば、世界の貿易を停滞させ、各国の反発を受けるのは必至だ。

 金融規制については緩和し、エネルギー政策では原油や天然ガスの開発を後押しする。こうした政策の大転換も米国内外の経済に影響する可能性が高い。

◆トランプ氏の経済政策

 <税制> 法人税率を35%から15%に。所得税も大幅に減税し、需要を喚起
 <貿易> TPPは就任初日に離脱。NAFTAも再交渉。中国を「為替操作国」に指定
 <労働> 規制緩和で企業活動を活性化。インフラにも投資し、雇用を創出
 <金融> オバマ政権の金融規制は緩和。任期が来たらFRBのイエレン議長は交代
 <エネルギー> シェールオイルや天然ガスの開発を後押し。「パリ協定」は離脱

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1523491 0 アメリカ大統領選挙2020 2016/11/10 05:00:00 2016/11/10 05:00:00

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