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政策実現見えず トランプ氏「いい仕事を」…閣僚 次の焦点

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 【ワシントン=黒見周平、ニューヨーク=吉池亮】公職経験を持たない新大統領は、超大国のかじ取りをどのように行うのか――。ドナルド・トランプ氏(70)の大統領選勝利を受け、今後の焦点は、政権の骨格を形成する重要閣僚らの人事に移る。一方、メキシコ国境での「壁」建設や大幅減税などトランプ氏が掲げた政策については、実現性に疑問符が付いている。

人事も異色に?

 「素晴らしい人たちだ」

 トランプ氏は9日未明、約20分間の勝利演説の最中に陣営幹部や家族を壇上に招き、1人ずつねぎらいの声をかけた。

 米メディアは、トランプ氏の選挙戦を支えたベテラン政治家らを閣僚候補に予想している。国務長官に元下院議長で共和党重鎮のニュート・ギングリッチ氏、司法長官に元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏、国防長官にジェフ・セッションズ上院議員、財務長官に陣営で資金調達を担当したスティーブン・ムニューチン氏――といった名前が取りざたされている。

 トランプ氏は事業運営で「家族経営」の手法をとっている。選挙活動でも、重要な判断については長男ジュニア氏(38)や長女イバンカ氏(35)らに相談した。一方でトランプ氏が「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)なんてうんざりだ」などと政界批判を強め、粗暴な言動も繰り返したことから、共和党系の政府要職経験者や有識者は「反トランプ」を鮮明にしたり、距離を置いたりした。

 このため、トランプ氏が自分の子どもや、イバンカ氏の夫で実業家のジャレッド・クシュナー氏(35)を重要ポストに起用するのではないかとの見方もある。

「壁」や大幅減税

 「今後は、いい仕事をしていかないといけない。皆に誇りに思ってもらえるような大統領になる」

 トランプ氏は勝利演説で、こうも強調した。ただ、大胆な公約を実現し、米国民の支持をつなぎとめるのは、簡単ではなさそうだ。

 トランプ氏は、不法移民対策としてメキシコ国境に「壁」を建設し、その費用をメキシコに負担させると豪語した。しかし、具体的な見通しはなく、メキシコ側も費用負担を強く拒否している。法人税率の大幅引き下げや、社会保障の充実も持論の一つだが、財源は示していない。環太平洋経済連携協定(TPP)については「撤退」するとしたが、多国間の合意を一方的に破棄すれば、国際的な非難を浴びる可能性がある。

◆トランプ氏の主な政策

<貿易・経済・税制>
 TPPからの撤退
 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉
 中国からの輸入品に45%の関税
 法人税を35%から15%に大幅減

<外交>
 日韓の核保有を容認
 同盟国に米軍駐留経費の負担増を要求
 ロシアとの緊張を緩和
 イランとの核合意を破棄

<移民>
 メキシコ国境に「壁」を建設。費用はメキシコが負担
 イスラム教徒の入国を一時禁止

<そのほか>
 「パリ協定」からの撤退
 医療保険制度「オバマケア」の撤廃

◆トランプ氏を取り巻く人々(敬称略)

<政策ブレーン>
 ルドルフ・ジュリアーニ:元ニューヨーク市長。長年の友人
 ニュート・ギングリッチ:元下院議長の共和党重鎮。政界とのつなぎ役
 クリス・クリスティー:ニュージャージー州知事。共和党指名候補を争うライバルだったが、早い段階で補佐役に
 ジェフ・セッションズ:上院議員。トランプ氏の安全保障に関する諮問委員会の責任者
 マイケル・フリン:元国防情報局長官で外交・安全保障の専門家

<選対幹部>
 スティーブン・バノン:保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の会長。広報、選挙戦略を統括
 スティーブン・ムニューチン:金融大手ゴールドマン・サックスの幹部経験もある金融界の大物。資金調達担当
 ケリーアン・コンウェイ:選対本部長として選挙戦略を立案。世論調査分析のプロ

<家族>
 長男ジュニア、次男エリック、長女イバンカ:トランプ氏の会社で重役を務め、選挙運動でも父親をサポート
 ジャレッド・クシュナー:イバンカ氏の夫。トランプ氏の知恵袋

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1523492 0 アメリカ大統領選挙2020 2016/11/10 05:00:00 2016/11/10 05:00:00

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