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米メディア影響力低下 有権者、SNSに依存…大統領選分析

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 【ワシントン=小川聡】米大統領選での共和党ドナルド・トランプ氏の勝利を受け、新聞・テレビの影響力の低下を嘆き、メディアの「敗北」を認める声が広がっている。

 今回の大統領選では、米有力100紙のうち57紙が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持し、トランプ氏への支持を表明したのは2紙だけだった。トランプ氏に投票しないように呼びかけた新聞も少なくなかった。

 にもかかわらず、トランプ氏が圧勝したことについてCNBCテレビは、「国民は主要メディアの調査や(社説での)見解を大して気にかけなかった」と自らの影響力低下を認めた。

 背景にあるのは、大手メディアに対する信頼性の低下と、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)からの偏った「ニュース」に依存する有権者の増加だ。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センターの今年の調査で、全国メディアの情報を十分信用できると回答した人はわずか18%。メディアは偏向していると回答した人は74%に上った。トランプ氏は演説の度に「メディアは不誠実だ」と批判していたが、有権者にその主張を受け入れる土壌があったと言える。

 ニュースをどこから得るかを尋ねた調査では、新聞は20%にとどまり、テレビの57%やインターネットの38%に引き離された。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「SNSでは同じ考えを持った仲間の投稿や党派的に偏ったニュースが急速に拡散する。大手メディアはそうした状況に苦労している」と分析した。

 そうした中、先月13日の社説でトランプ氏を「大統領候補として不適格だ」と断じたワシントン・ポスト紙は9日(電子版)の社説で「我々は次期大統領が(国の)制度に敬意を示すよう望む。彼がそうした時には、米国民は彼を支持しなければならない」と主張した。

世論調査の過信 認める

 【ワシントン=田原徳容】米大統領選ではドナルド・トランプ氏(70)が勝利を収め、大方の当落予測を覆した。各メディアは世論調査の結果を踏まえた上で、見通しが外れた原因と選挙結果を予測することの難しさを伝えた。

 世論調査については、実際には少なくなった固定電話の所有者を主な調査対象とする手法の限界や、調査に応じる有権者の割合が激減しているとの指摘があり、精度に問題があると以前から言われてきた。

 ロイター通信は、民主党のヒラリー・クリントン氏(69)が全米での総得票数で優位との調査結果を基に、同氏が9割の確率で当選に必要な270人の選挙人を確保する見通しと報じた。実際にクリントン氏はトランプ氏を得票総数で上回った。しかし各州での選挙人獲得数の合計では及ばず、当落の見通しは外れた。

 これは得票総数の多い候補が少ない候補に選挙人獲得数では逆転されてしまう「ねじれ現象」だ。同通信は、得票総数で優位との予測から、クリントン氏が総合的に勝利する流れにあると分析し、各州単位でも同氏の優位を「過信」する結果になったと説明した。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、トランプ氏が優勢となった中西部ウィスコンシン、東部ペンシルベニアなどの州で、投票日直前までどちらの候補に投票するか決めていない白人層の動向を世論調査で読み切れなかった可能性を指摘した。

 また選挙予測などで定評があるインターネット・サイト「ファイブ・サーティー・エイト(538)」は世論調査について、調査会社やメディアの経済的な事情が調査の精度に影響している点も指摘。関係者は「(対面式など)伝統的な調査方法に問題はない。ただ費用がかかるだけだ」と語っている。

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