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【ワシントン=田島大志、寺口亮一】米国の第46代大統領ジョー・バイデン氏(78)の就任式は20日、異例の静寂の中で行われた。就任演説で何度も「団結(Unity)」を訴えたバイデン氏。トランプ政権下で深まった米社会の分断を克服できるのか。首都ワシントンでは新政権への期待が高まる一方、反発も根強い。
■出席者限定
オバマ政権下の副大統領として2009年にも就任式を経験したバイデン氏は終始、落ち着いた様子で臨んだ。

「すべての米国民に、私とともに歩みを進めるよう求める」。連邦議会議事堂のバルコニーに立ったバイデン氏は演説でそう訴え、両手を振り上げた。静かに見守っていた出席者から口笛や拍手が上がったが、スタンディングオベーションや歓声で演説が中断される場面はなかった。

最も盛り上がりを見せたのは、バイデン氏が女性初の副大統領に就任したカマラ・ハリス氏(56)を紹介した時だった。黒人でインド出身の母親を持ち、「多様性の象徴」とされるハリス氏に対する期待の大きさをうかがわせる。
米国は新型コロナウイルスの累計感染者数が2400万人超、死者数が40万人超と、いずれも世界最多を記録する。就任式には本来、約20万人が招待されるが、今回は連邦議会議員と、議員あたり1人ずつの招待者らに絞られた。主催者によると、出席者は数千人にとどまったという。

式にはオバマ、クリントン、ブッシュ(子)の民主、共和両党の歴代大統領夫妻が出席。副大統領を退任したマイク・ペンス氏(61)の姿もあった。歌手のレディー・ガガさん(34)が国歌を独唱し、ジェニファー・ロペスさん(51)もフォークソング「わが祖国」を歌った。