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鬼澤 優子さん(中央大学法学部卒業)

鬼澤 優子さん(中央大学法学部卒業)【略歴

最強のプレーヤーになるために

鬼澤 優子さん(中央大学法学部卒業)/広告代理店、大学職員広報、ラジオDJの経験を経てハワイ大学留学中

なくなるもの、永遠になくならないもの

 仕事を辞めて、海外の大学へ留学する。多くの人にとって、かなりの勇気を伴う決断だと思います。3年前の私にとっても、それは大きな賭けでした。3年前――そう、私たち日本人にとって、忘れられない出来事となった、東日本大震災があった年です。

 私があの震災から学んだことは、「今を生きる」そして「形あるものは壊れる」ということでした。傾いた家や電柱、マンホールが突き出て、水浸しの道路。当時私が住んでいたのは関東地区で最も大きな被害が出た被災地の一つ、千葉県浦安市。あの日、私が目にした、荒れ果てた自分の街の光景は、今も鮮明に胸に焼き付いています。「形ある物は壊れる」。一方で、絆や思い出、知識や経験といった形ないものは、どんな災害でも、私たちから奪うことはできません。留学という大きな決断に踏み切れたのはこの気づきがあったからです。

 現在私は、ハワイ大学でコミュニケーションを専攻する学生として学んでいます。広報や広告畑で仕事をしてきた私のキャリアに、更に磨きをかけ、強みをつける、ICT、マルチメディア、デジタルシネマ、PRの領域がこの専攻では学べます。

英語が話せなくてもDean's List(優等生名簿)の常連に

 異国の地で、英語を母国語とする学生たちに交って勉強する―最初のうちは、教授や友達の話を理解できず右往左往。それでも現在の私は、全米の大学の中で上位15%の成績優秀学生だけが所属するHonor Societyからの誘いを受け、自分の専攻のHonor Studentであり、奨学金を支給され、毎学期、必ずDean's List(優等生名簿)に名前が載っています。

 もちろん毎日5~6時間は机に向い必死に勉強していますし、友達や教授の助けもあります。でも、アメリカの大学生は、本当によく勉強するんです。24時間開館している図書館は、いつも学生で一杯ですし、授業中に居眠りをしている学生など見たことがありません。それでも私が、優秀な成績をとれるのは中央大学で培った学びにあると思います。法律の知識だけではなく、物事を多角的に捉える視点、問題の抽出力、情報を収集し分析する力や問題解決能力といった、全てに通じる理論的な思考力。それは、私の人生にとって大きな財産となった学びでした。

地元有力紙に記事が掲載される

 たどたどしい英語を話す日本人留学生。どのクラスでも学期の最初は、私の評価は、そんなところから始まっているのでしょう。でも、一度、課題を提出したり、授業で発言すると、教授やクラスメートの私への評価が変わります。たとえば、PRのクラスで、地元の有力新聞Star Advertiserに記事を送り、それが実際に掲載されると、無条件でAの成績がもらえるという実践的な課題がありました。約20名のクラスメートの中で、私を含め3名の記事が掲載され、私は成績評価が厳しいと評判の教授から見事Aを獲得。ここでも、私の記事を編集者が評価したのは、掲載のタイミング、読者にとって興味のある有益な情報かどうかをきちんと捉えた記事だったからだと思います。

地元有力紙・Star Advertiser

掲載された鬼澤さんの記事

中央大学で法律を学びたいと思った理由

 「今、5分間、法律が停止したら、何が起こると思いますか?」
これは、中央大学の法学概論の最初の授業で、教授が問いかけた質問です。目に見えないけれども、世の中の秩序を守っているのが法律です。その基本ルールを知っている人の方が、社会の中で強いプレーヤーになれるのではないか。それが、私が法律を学ぼうと思った理由です。ただ、学んでいくうちに、頭の中に散らばっていた知識が、整理されていく感覚を味わい、そして理論的に物事を捉える力が身に備わったと感じています。法律を学ぶということは、自分で考えていた以上のものでした。

ハワイという地の持つチカラ

 インターネットの登場以来、グローバル化がこれまでになく加速しています。私も広報として働く中で、英語版パンフレット作成や外国からのお客様のご案内という必要に迫られた時に、語学はこれからの必須のスキルだと痛感し、留学を決意しました。ハワイを選んだのは、気候の素晴らしさが一番の理由。日本のように蒸し暑くもなく、寒さに震えることもなく、勉強に集中するには最高の環境ですね。ただバスを待っている時間すら、気持ちのいい時間になる。そして穏やかで優しい人たちが多いのも、ハワイの利点の一つです。異国での学びが、大変ながら楽しいものになっているのは、このハワイという地の持つチカラのおかげです。今回、中央大学が、ハワイ大学内にオフィスを開き、後輩のみなさんに、この地で学べる機会が広く開かれたと聞きました。後輩のみなさんを羨ましく思うとともに、母校がいつの時代に学生のために、進化し続けていることに誇りを感じます。中央大学の良さは、ゼミでの教授と学生との距離が近いこと。今回のオフィス開会レセプションに、教授からご連絡があり、参加させていただくことができました。卒業生のことも忘れずにケアしてくれる、それが母校の素晴らしさの一つだと思います。

最強のプレーヤーになるために

 時代の変化が激しい現代社会では、技術の進化に伴って、求められるものも変わってきます。時代に応じて、常に勉強し続けなければならない。私たちはそんな時代に生きています。

 「大学4年間の勉強は、入社1年目で使い切る。常にアンテナをはって勉強しなさい。」
これはかつての私の上司の言葉で、私の仕事へのスタンスに大きく影響を与えた言葉です。学び続けること。それを楽しく思うか辛く思うかで、人生は変わってくると思います。より強力なプレーヤーになるためのカードを手にする――これこそが“学ぶ”ことの意味であり、私が学び続ける理由です。

鬼澤 優子(おにざわ・ゆうこ)さん
千葉県出身。中央大学法学部法律学科卒。大手広告代理店、大学広報、ラジオ局のDJ等の仕事を経て、2011年3月の東日本大震災の後、仕事を辞め、単身ハワイ大学に留学、現在に至る。