編集委員のキーワード解説 KEYWORD

PEST+E分析

 PEST(ペスト)は政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)という英語の頭文字です。これらの動向は、製品の売れ行きや顧客層に大きな影響を与えますが、企業単独で変化を止めることはなかなか難しいのが現実です。そこで、重要な経営方針を決める際に、この4つのマクロ(巨視的)視点から社会や外部環境を事前に分析し、対応や変動予測を行うことが、PEST分析です。
 自然環境(Ecologyまたは Environment)という第5の要因を加え、PEST+E分析と呼ぶことも増えています。

PEST+E分析については、経済フォーラムセッションⅢでも取り上げました。アーカイブはこちら。

PEST+E分析の要素一覧

 PEST+E分析は企業の戦略づくりや中長期的な経営理念を定める基礎となるものです。適切に分析しないと顧客のニーズや市場動向を正しく把握できず、そのまま経営戦略をつくっても十分な成果はあがりません。外的環境の現状に関する情報は事実と確認できるものだけを集めます。通常は経営戦略には達成年度がありますから、影響が短期的なものなのか、中・長期的に及ぶとみられるのかを整理しておくことも大切です。
 PEST+E分析であられた外部要因を経営戦略や方針に生かすため、整理した外部環境の要因を企業の内部要因と突き合わせていくことが次の手順になります。整理した事実を「機会」と「脅威」に分類すると、自社への影響が見えやすくなります。さらに進んだ分析には、それぞれ対象となる要因の英語の頭文字をとったSWOT(スウォット)分析、3C分析などがあります。

PEST分析の活用イメージ

 PEST+E分析の結果は、ミクロ(細部)の視点から内部環境を分析する際に役立ちます。さまざまな分析手法の得意分野を把握して使い分けるとともに、複数の分析結果を併用することが重要になります。最近ではAI(人工知能)を活用したり、DX(デジタル・トラスフォーメーション)によって多くの部署から情報を集めるなどして、分析の精度を上げる企業も増えています。
  PEST+E分析の+E(環境)分析は、自然災害の増加とともに重要性が高まっている「レジリエンス(復元力)」と関係があります。レジリエンスについてもキーワード解説でまとめています。

→編集委員のキーワード解説「レジリエンス」はこちら

(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)