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骨太の方針
「経済財政運営と改革の基本方針」の通称で、政府の経済政策の方向性や中・長期的な方針をまとめた文章です。首相が議長を務める経済財政諮問会議の議論を経て、毎年6月ごろに閣議決定(2026年は7月)されます。森喜朗内閣の財務相だった宮沢喜一元首相が、「諮問会議では骨太の議論をする」と発言したことが、「骨太」と呼ばれるようになった由来とされています。
最初の骨太の方針は小泉純一郎政権の下で決定され、「構造改革」の必要性が強調されました。旧民主党政権下では休止していましたが、自民党の政権復帰後、第2次安倍晋三政権が最初にまとめた基本方針は副題に「脱デフレ、経済再生」を掲げ、アベノミクスの推進を打ち出す内容となりました。ここ数年の内容は総花的で副題も長くなり、力点を置く経済政策がわかりにくくなったという指摘もありました。
財政運営ではこれまで、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字にすること、すなわち過去の借金返済費用を除いた政策的な支出を新たな借金(新規国債発行)によらずにまかなうこと、を財政健全化の目標としてきましたが、実現時期は遅れに遅れてきました。
2026年の骨太の方針は、「責任ある積極財政」を掲げる高市首相の方針を色濃く反映する内容になっています。2040年度までに、戦略17分野に官民合わせて370兆円超を投資するという成長戦略を打ち出す一方で、財政運営については「健全化」という文言を財政の「持続可能性の確保」に言い換えています。単年度のPB黒字化を目標とせず、代わって「債務残高の対GDP(国内総生産)比」を複数年度にわたって安定的に引き下げることを「中核目標」にした点も大きな特徴です。
複数年度にわたって国が重点分野に投資する方針を示せば、民間企業も思い切った設備投資や研究開発投資がしやすくなるのは確かです。ただ、その実現のために財政規律を緩めてしまうと円安やインフレが加速し、経済成長を阻害してしまいます。高市首相が「責任ある」財政運営ができるのか、が今後問われることになります。
(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)