住民税ってなに? 2年目の給与明細で"手取りが減る"理由
社会人2年目の6月頃から突然引かれ始める「住民税」。「なぜ急に手取りが減ったの?」「いつから、いくら引かれるの?」と戸惑う社会人も多いと思います。住民税は地域サービスを支える大切な税金ですが、給与天引きだとあまり納めている実感がわきにくいかもしれません。なにかと話題のふるさと納税も、実は住民税に密接に関係しています。今回は、住民税の基本をわかりやすく解説します。
「急に手取りが減った?」その原因は住民税かも
住民税は、今住んでいる都道府県や市区町村に納める地方税です。ごみ処理、消防・救急、道路や公園の整備、教育など、地域の行政サービスを支えるために使われています。いわば、「その地域に住むための会費」と考えるとわかりやすいでしょう。
住民税の大きな特徴は、前年の所得をもとに計算されることです。たとえば、2025年1月から12月までの所得をもとに2026年度の住民税額が決まり、会社員の場合は、一般的に2026年6月から2027年5月まで毎月の給与から天引きされます。これを「特別徴収」といいます。
つまり、新社会人1年目は前年の社会人としての収入がないため住民税がかからず、2年目の6月から初めて負担が表面化するわけです。(前年にアルバイト収入が多かった人や、学生時代から一定の所得があった人は、新卒1年目でも住民税が発生する場合があります。)
住民税は、大きく「所得割」と「均等割」で成り立っています。所得割は、前年の所得に応じてかかる部分で税率は原則10%です。内訳は、都道府県民税4%、市町村民税6%。このほか、所得にかかわらず一定額を負担する「均等割」もあります。収入が増えれば所得割の部分が増え、住民税の負担は重くなります。
ここでよく混同されるのが所得税との違いです。所得税は国に納める税金で、その年の所得に応じて毎月の給与から概算で差し引かれ、年末調整などで精算されます。一方、住民税は地方税で、前年の所得をもとに翌年課税されます。つまり、所得税は「今年の収入に対して今払う税金」、住民税は「去年の収入に対して今年払う税金」というイメージです。
通知書で税額を確認し、使える住民サービスも見逃さない
では、住民税は「いくらぐらい引かれる」のでしょうか。
住民税は前年の所得や控除額、住んでいる自治体によって変わるため一律ではありません。会社から毎年5月ごろに配られる「住民税決定通知書」を見れば、その年の税額を確認できます。
あわせて知っておきたいのが、ふるさと納税と住民税の関係です。
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附をすると、自己負担2,000円を超えた部分について、原則として所得税と住民税から控除が受けられる制度です。会社員で一定条件を満たせば「ワンストップ特例制度」が使え、確定申告をしなくても、ふるさと納税をした翌年に納める税金が少なくなります。
たとえば、今年の1月から12月までの間に、1万円ずつ3か所にふるさと納税をします。「ワンストップ特例」の申請書を出すと、寄附をした先の自治体が住んでいる自治体と連携してくれて、翌年の住民税から2万8千円(3万円-2000円)を差し引いてくれます。(確定申告は不要です)
つまり、ふるさと納税は「住民税の一部を、前もって別の自治体に振り分ける」イメージに近い制度です。住民税の仕組みを知ると、ふるさと納税の意味も理解しやすくなります。
住民税は「取られるもの」と考えると、負担感ばかりが目立ちます。しかし、地域で暮らす私たちを支えるサービスの大切な原資。住民税がどのような形で暮らしに還元されているのかを知ると活用しやすくなりますよ。広報誌や自治体のホームページなどで、健診、助成金、公共施設、相談窓口など、使える制度をチェックし、上手に取り入れていきましょう!
FP事務所アイプランニング代表/ファイナンシャルプランナー 大手金融機関での勤務を経て、2006年にFP事務所を開業。お金の知識を生活者目線で わかりやすく伝え、無理のない家計管理や将来設計をサポートしている。個別相談を 中心に、セミナー講師、メディア出演、記事監修・寄稿など幅広く活動。家計相談は 1,200世帯以上。著書に『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の 壁」』(KADOKAWA)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中 経出版)、『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)などがある。
