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今から始める金投資
昨年後半から勢いよく上昇してきた金価格の上昇も一服して、年半ばから調整を余儀なくされています。金を買いそびれた人はチャンス到来と思う反面、まだ金価格は下がるのではないか、高値づかみをしてしまうのではないかと疑心暗鬼になり購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか?
短期的に金価格が上昇するのか、下落するのかを予測するのは至難の業ですが、中・長期の視点に立てば金価格は調整を挟みながらも右肩上がりで上昇しつづけると専門家は予測しているのです。
中長期で見る「金」の価値
「有事の金」と言われますが、米国やイスラエルのイラン侵攻、ロシアのウクライナ侵攻といった戦争当初こそ金価格は上昇で反応したものの、戦争の長期化により足下ではあまり反応しなくなっています。むしろ米国経済の強さを裏付けとした米ドル高などにより金価格は下落しているのです。
金は保有しているだけでは預金のような利息が発生しないことから、米国経済が強く金利が上昇するとドルが買われ金価格は下落してしまいます。短期的な材料では「有事の金」という考えは長続きしないものの、中・長期では米国の経済有事などで金の強さは際立ってくるのです。
世界の中央銀行はインフレ退治などを背景に金融引き締めを行いますが、中・長期では相対的に金融緩和を行い自国通貨の価値を引き下げる政策を続けているのです。通貨価値が下がれば物価の上昇につながります。
さらに、中国を始めとする新興国の一部は、数年前から中央銀行が米国債などを売却して金を買っていることも見逃すことができません。新興国、中でも反米を掲げる国々の米国離れは一過性のものではなく、今後も緩やかに継続しくと専門家は口をそろえていることから、金価格が下落する度に買い増しを続けて行くと予測されてもいるのです。
中央銀行が買った金は資産保全の側面がその背景にあることから、金価格が将来的に上昇しても簡単に売りに出すことはしません。市場に出回る金の量も少しずつ減少していくことも中・長期で金価格が上昇していく要因と言われているのです。
金に投資するには?
堅調に上昇してきた株価も2026年の折り返しを迎えてやや変調を来し始めている一方、リスク回避時に資金が向かう国債などの債券も財務不安を背景に不安定な動きとなっています。
伝統的な株式や債券などと異なる動きをする金は、新興国などの中央銀行だけなく私たちが資産保全をする分散先としては優良な資産なのです。世界の流れに抗うのではなく、資産の一部で少しずつ金を購入してインフレや経済有事などに備えることが私たちにも必要なってきているのです。
金の現物に投資をするには、純金積立、金貨、金地金などがあります。純金積立は積立貯金のように毎月一定額で金を買い付けて行く方法。一定額で買い付け続けることで金価格が高いときには少なく、価格が安いときにはたくさんの金を買い付けていくことで平均取得単価を抑える効果が期待できます。
金貨はメープルリーフ金貨やウィーン金貨ハーモニーなど、金価格に金貨の価格が連動して動きます。金貨に精製するため「鋳造コスト」が上乗せされていますが、売却する時にコストが上乗せされているので鋳造コストで私たちが損をすることは原則ありません。金地金は「延べ棒」と称される金のバーのことで、一般的には最小5グラムから最大1キログラムまでさまざまな重さの地金があります。500グラム以下の地金を購入する際にはバーチャージと称する手数料がかかる点には注意しましょう。
思い立ったが吉日
簡単に金の現物に投資する方法を述べましたが、自分の投資スタイルに合った方法で購入すると良いでしょう。常日頃からコツコツと時間をかけてじっくり購入して行くのが高値掴みを避けるコツと言われているのです。思い立ったが吉日、日本もインフレが継続していくことを考えれば、資産の一部でインフレに強い金を保有することは世界の流れに乗ることになるのです。
クレジット会社勤務を経て独立系FP会社に入社。2006年に有限会社ファイナンシャルリサーチを設立。
テレビ・ラジオ番組や各種セミナーなど様々なメディアで、お金と暮らしの情報を幅広く発信中。
■主な著書
「これから生きて行くために必要なお金の話を一緒にしよう!」
(ダイヤモンド社)
「55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣」
(明日香出版)
「図解 金融機関にすすめられた商品の中身がわかる本」
(講談社)等
