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 人生の最期に向けた前向きな生き方である「終活」のひとつとして、遺贈寄付が注目されています。遺贈とは、遺言で財産の全部、または一部を自分が希望する個人や団体に遺すこと。遺産を社会貢献に活用してもらうために寄付する遺贈寄付のことをもっと知ってもらおうと、全国各地でセミナーを開いている公益財団法人「日本財団」の尾形武寿理事長に、遺贈を考えている方へのアドバイスなどについて聞きました。

日本財団 尾形 武寿理事長
日本財団 尾形 武寿理事長

なぜ、遺贈が注目されるようになってきたのか

 日本は欧米に比べると、人を助ける文化や意識が薄いと言われますが、私は、そうじゃないと思っています。例えば、昔から、田植えだと言うと総出で作業して、家に残ったお年寄りは子どもの面倒を見た。これは「共助」の精神があるからです。

 でも、戦後、都市への集中、核家族化が進んで“お隣り”との関係が希薄になり、お年寄りも地方に取り残されたり郊外に押しやられたりしている。お互いに助け合うことや、自然な世代交代が物理的に難しくなっています。

 そこで、私たちは、別の方法で、次世代へのバトンタッチができないか、お互いが助け合った昔の日本が取り戻せないだろうかと考えています。遺贈寄付はそのひとつで、こうした動きが、新しい日本の寄付文化の醸成につながるのではないかと期待しています。

未来の子どもたちの笑顔のために
未来の子どもたちの笑顔のために

遺贈寄付は、『生きた証を残す』ことでもあるのです

 自分が築いた財産を残すのなら、「だれに残すのか」、「どう使ってもらいたいのか」まで考えて残すことが、「生きた証」を残すことになるのではないでしょうか。

 遺贈したものを、「社会のために役立ててほしい」、「未来の子どもたちの笑顔のために使ってほしい」などと考え、社会貢献のために残すのが遺贈寄付です。

 でも、寄付したものが自分の思った通りにちゃんと使われるのか、心配だと思います。

遺贈は全額、確実に社会貢献に活用します

 日本財団は、遺贈された寄付は全額、社会貢献に活用しています。全国の地方自治体が主催するボートレースの売上金の一部(約3.1% ※2024年4月時点)を交付金として受け取って財団の活動資金に充てており、遺贈寄付から間接経費を取ることは一切ありません。

 遺贈された寄付は、お名前を冠した基金勘定を作って個別に管理します。また、事業を始めるにあたっては理事会に諮り、事業実施後は監査を行います。きちんと活用されたことは、ご遺族に報告するとともに、すべてを活動報告書にお名前とともに記載し(匿名も可能)、ホームページでも公開します。

日本財団の遺贈寄付の特徴
日本財団の遺贈寄付の特徴

あなたの『思い』をかなえます

 日本財団の支援対象は、「海洋」、「子ども」、「災害」、「障害」、「国際」、「社会」の六つの分野を中心に幅広く、これまでに支援した社会貢献活動は約10万件に上ります。

 こうした活動で長年にわたって培った経験があり、現場で必要なのは何かというニーズを知っているからこそ、遺贈を希望する方たちの「思い」をかなえられる分野や事業について、具体的な情報を提供することができるのです。

学校や家とは違う、子どもたちが安心して過ごせる「第三の居場所」の開設や運営を支援しています。写真は、さいたま市の「あそぼっくすみぬま」。
学校や家とは違う、子どもたちが安心して過ごせる「第三の居場所」の開設や運営を支援しています。写真は、さいたま市の「あそぼっくすみぬま」。

子どもの育成、災害支援のほか、環境対策にも活用されています

 2023年度は九つの事業に7億3757万8352円を支援しました。

 例えば、「子どものために」と希望した方の遺贈寄付を、発達障害や虐待によるトラウマを持つ子どもたちを対象としたフリースクールの建設費や、児童養護施設などで暮らした若者への給付型奨学金事業に充てました。また、能登地震の避難所に設置した水循環型シャワーの費用には、広く社会貢献活動への支援を希望された遺贈寄付を活用しました。このほか、使い捨てプラスチックごみの削減プロジェクトの活動原資にも使っています。

排水を浄化して再生利用できるポータブル型の水循環システムを配備し、水が十分にない被災地でもシャワーを使えるよう支援しました。
排水を浄化して再生利用できるポータブル型の水循環システムを配備し、水が十分にない被災地でもシャワーを使えるよう支援しました。

相談員が遺言書の作成までフォローします

 日本財団が遺贈寄付サポートセンターを開設した2016年4月以降、遺贈についての問合せは増えており、年間2000件を超えるまでになっています。

 遺贈を希望される場合、まず、何を遺贈したいかや希望する使い道をセンターの相談員がお聞きします。遺言書の作成に当たっても、相談員が意向をヒヤリングしながら顧問弁護士と確認しながら進めます。完成した遺言書は、公正証書遺言書は公証役場に保管、自筆遺言書の場合は自宅か法務局に保管することになります。この時、同時に入会していただく日本財団の「ひなげしの会」(入会金、年会費なし)からは、定期的な連絡を差し上げるほか、財団主催のイベントの招待が届きますのでご利用ください。

遺贈寄付の流れ
遺贈寄付の流れ

 私たちは、遺贈であなたの「思い」を未来につなぐお手伝いをします。あなたが「生きた証」を残すためにも、人生最期の社会貢献として遺贈寄付を選択肢に考えてはいかがでしょうか。

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